家は建ててから何もせず維持できるものでしょうか?
①外まわりは、メンテナンスが必要になる
②設備には、寿命がある
③気が付かない部分が傷んでいる場合もある
④お手入れや暮らし方次第で家は傷みやすくなる
⑤自然災害で家が破損する
などで手を加えながら維持する必要が生じます.
工事業者側で実施する定期点検もありますが、概ね10年ごとに、建てた(又は直した)工事業者やインスペクターに見てもらうことが賢明です. ポイントは、家全体を見てアドバイスできる人材に相談する事です.
家の劣化に詳しくない一般の方々では、「ウチでは〇〇をしたけどお隣は〇〇していないね~」ということが誰でも経験あるのではないでしょうか.
家の経年劣化は「地域と立地環境」や「東西南北の向き(配置)」「使用材料」だけでも経年劣化の進行や状態が変わります.個別でその家ごとに状態を確かめて、必要な対応をするのが得策です.
家の劣化は「進行していく」が鉄則です.
設備は限界まで使用することもできますが、特に家の外側は劣化したまま風雨の影響を受ける特徴が見られます. 放置によって2次被害(隠れた下地の腐朽やシロアリ発生等)まで進行していく傾向も見られる為、点検の重要性は高まっています.2次被害が発生すると、経年メンテナンスだけでは済まなくなり、修理の費用も増えることに繋がってしまいます.
木材は、腐朽しないように維持する事が大切です。
特に雨漏り、雨や雪がかかりやすい位置など、水に影響を受け続ける部分に注意しましょう。早めに見付ける事ができれば部分修理もできます。
2階バルコニーを部屋にリフォームされた方の事例です。
バルコニーを解体していったところ、直下階の柱が大きく傷んでいました。バルコニー手すり付け根から長年に渡り少しづつ水が侵入、この柱を劣化されてきたと考えられます。
建物には、水の侵入しやすい部位(気をつけるべき部位)というものがあり、ちょっとした箇所から雨水や融水が下地へ浸入、木材腐朽させていきます。
落雪により2Fベランダを支える直下の柱が折れた実例です。
解体してみると「折れた柱」の強度はなく、蟻害も出ていました。もともと柱が地面のコンクリートに直付けだった点と、築40年以上の経年劣化より、長年に渡って水の影響を受けた様子。劣化して水分を多く含んだ木材に、蟻を引き寄せたと思われます。お施主様もこの柱を見てびっくりされていました。
地面に直接木を触れるような作りにするとこのような問題は避けられません。
木材を外部にむき出ししているベランダをお持ちの方の劣化事例です。築15年程度経ち、横にかかる木材(梁=はり)の上面が、傷んでいました。
このお宅は屋根の軒がしっかり出ている為、木材に雨や雪が当たりにくい環境でしたが、今後を考えると放置は避けたい為、腐らない板をこの木材に載せて固定、木材上面が水による影響を受けないように処置しました。このメンテナンスを行った数日後、たまたま京都清水寺が同じ目的で木材保護をしているTVが入り、住む方も私も話題にしました。
一般的な水道管
水道管は鉄製ではなく錆びない管の使用が主流です。
保温材が巻かれてあり、水とお湯が分かるようになっています。
以前の鉄管に比べ寿命が長いうえ、漏水リスク減少します。
住むうえで怖い現象の一つは水道管の水漏れではないでしょうか。水道メーターで
漏水チェックしたり、床下配管が漏水していないかチェックするだけでも安心できます。
ボイラー・灯油タンク・井戸ポンプなどの経年で、液漏れや不具合が起こり得ます。気になる出来事があれば、設置した工事業者にチェックしてもらう関係づくりが大切です。
断熱材へ水染み
配管が貫通している周辺の断熱材が変色しています。床上で漏水した可能性も考えられます。断熱材の変色は漏水だけでなく、結露や湿気などでも見られます。
木材へ漏水
木材へ水染みしている事例です。配管保護材の傷み具合からも、継続漏水している可能性が伺えます。木材が濡れ続けると腐朽が確実に進みますので早期発見の為に点検の大切さがわかります。
ユニットバス直下で漏水
ユニットバス配管が経年劣化で漏水した事例です。床下の配管から少しづつ水漏れ継続していたことを住む人が気付かないまま、床下コンクリート地面で水溜まりになっていました。
洗面台の床下配管が漏水
洗面台のお湯配管漏水事例です。水垂れが僅かな状態ですが継続していた為、床下地面(コンクリート)に溜まっている状態です。中古住宅を買って間もないときの点検で発見にいたりました。
電気温水器(貯湯タンク配管)が漏水
電気温水器の配管が錆びて腐食し漏水した事例です。リフォームで温水器に交換した際、経年劣化した配管まで更新しなかったことでこうなったのでしょう。
鉄管さび劣化で漏水
水道鉄管が経年錆び劣化で粉砕し、地面内で漏水していた事例です。ここまで劣化すると配管全体がいつ漏水してもおかしくない状態で、部分修理したくてもできない(修理の際に周辺も漏水させてしまう)状態にあります。
床下は点検口か畳の部屋があれば点検できます。床下の施工方法は多種にあるので物件毎にポイントは違いますが、定期的なチェックによって土台(木材)や地面、水道管や排水管、湿気の状態、基礎などをチェックでき、早期発見に繋がります。
残置物(材料片)
工事で発生した材料片が散在していないか、確認ができます。
基礎や床裏の状態
基礎裏側にひびが発生していないか、床裏構造に異状がないのかなどを確認できます。
床下地面の状態
床下地面はコンクリート・土・砂など種類があります。地面からの湿気影響で劣化や不具合を生じていないかチェックできます。
草の増殖
配管まわりや基礎ぎわなどから厄介な植物が出てきていないか状態チェックできます。
虫の越冬
晩秋、床下で虫が越冬している事例です。床下換気口のある家ではたまに見られます。
シロアリの発生事例です。
築年数30年超のお宅、浴室がタイル風呂で直下床下にだいぶ前から発生していたようです。住宅脇に木材を放置していたことで、それが発生の1要因になった可能性があります。5月末~6月の蒸し暑い時期に室内浴室床下から2階まで発生した。2階まで発生した要因は雨漏りだ。2階雨漏りが修理されず続いたため、濡れた(劣化した)木材が餌となって被害拡大したようです。
天井裏も点検したい箇所です。点検口や押入天井が開く箇所がある場合、雨漏り跡がないか、湿気感がないかのチェックになります。更に、見る人がみれば構造の不具合や懸念点がないか診断することも出来、現場で起きている様々な情報を収集して住む人にアドバイスすることが出来ます。
動物の形跡
築40年超の住宅、1階と2階の間の空間(1階天井裏)に、動物糞が見つかった事例です。
雨漏りの跡
屋根裏側では、過去雨漏りがあったか確認することができます。
継続しているか過去一時的かなど見ることができ、健全性を確かめられます。
接合金物のゆるみ状態
柱や梁(はり)などを接合するために使用される金物には、経年でゆるみが生じる場合があります。また、天井裏が湿気が強いと金物に経年で錆が現れる場合があります。
断熱材の連続性
天井裏では、家の断熱材状況を確認することができます。断熱工法は複数あり、種類や施工性の経年状態が確認できます。
構造材の状態
天井裏では、家の構造(骨組み)の経年状態も確認することができます。柱や梁(はり)をはじめ、屋根構造も確かめられます。
天井裏に吹込む方法
綿状の断熱材をホースで吹き込む方法です。
吹込み工法による場合は、断熱材をくまなく施工しやすい特徴があります。
吹き込む断熱種類も複数あります。
天井裏に敷き込む方法
綿状の断熱材を手で敷き込む方法です。
吹き込む方法に比べ、くまなく施工するには施工丁寧さが必要です。
天井裏に吹き付ける方法
発砲すると膨らんで固まる断熱材を、吹き付ける方法です。
くまなく施工しやすい一方、膨らんで固まる性質から、丁寧に施工しないと見た目で分からない空隙が生じることがあります。
屋根構造の外側に張り付ける方法
屋根構造の外側に、ボード状の断熱材を張り付ける方法(外張断熱)です。施工してしまうと天井裏から施工チェックすることが出来ない為、新築時の施工が大変重要になります。
・屋根雪が落ちないよう、雪止め金具を後付け設置できます
・屋根に付いている窓を天窓といいます
・地上からは見えにくいので異常が発見しにくい部位です
・雨漏りを抑制するためのメンテナンスが重要です
(雪が落ちる屋根のほうが屋根材は長持ちしやすくなります)
・一定量の降雪する地域では、スガ漏れのリスクも考えておく必要があります
雪が落ちる屋根
雪が落ちない屋根
雪止めが付いた屋根
雪が落ちないトタン
無落雪屋根の排水樋(側溝)
無落雪屋根の排水口
雨樋
天窓
2004年始業.
幾度もの現場実践を通して
裏打ちされた事例やノウハウを
社会へ還元したい
住環境企画
リビング
パートナー
青森県全域対応
050-1095-2794
事務所保有登録
●内閣府認証NPO法人
日本ホームインスペクターズ協会(JSHI)公認
ホームインスペクター認定会員
H000479号
●公益財団法人
日本ファシリティマネジメント協会
認定ファシリティマネジャー
(CFMJ)資格登録
第0033704-20号
●建築士事務所登録
(二級)青森県知事第2539号
030-0861
青森県青森市長島2丁目13-1
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(リージャスビジネスセンター)